2015年7月10日金曜日

渇き

・御茶ノ水から帰ってくる。立川に着く。電車を降りる。階段を探し、そちらへ向かおうとする。後ろから押してくる人、横から押してくる人がいる。自分もその勢いで前にいる人を押してしまう。睨まれる。僕も後ろを睨まないように見る。かかとを踏まれる。思わず舌打ちをしてしまう。

・人がこんなに密集してモゾモゾ動いているのは、不自然だなぁと思う。どこで働いているかも知らないおじさんや、どんな食べ物が好きかも知らないお兄さん、趣味すら知らないおばあちゃんと、こんなに密着して、押し合っているなんて、やっぱり何かおかしい。第一、すごく疲れる。

・体は限りなく近いのに、心は限りなく遠い。名前も歳も、その人についてのことは何一つ知らない。知っているのは、歪んだ顔だけだ。

・その人にも、笑顔があるはずだ。その人にも、ストーリーがあるはずだ。その人にも、愛する人がいるはずだ。そう思うだけで、ほんのちょっと、ほんの一瞬、心は安らぐ。

・けれどもかかとを踏まれると、そんなものはどこかに吹っ飛んでしまう。相手を、人というより、邪魔なところに置いてあるタンスくらいに思っている自分がいる。蹴飛ばしたくなるのは、人じゃなくて、モノと思っている証拠だ。

・イエス様が満員電車に乗ったら、どうしただろう。きっと、彼らの渇いた心を潤しただろう。いや、その彼らには、僕もしっかり入ってるハズだ。そう思ったら、「神様、僕の心の渇きを潤してください。」と、お祈りしていた。

・「あなたがたは喜びながら救いの泉から水を汲む。」イザヤ12:3

・救いの泉から、水を汲み続けたい。なんだか、とても喉が乾く、夏の夜だ。

0 件のコメント:

コメントを投稿